陶芸の焼成後に割れるその割れ方の違いとは?

こんにちは、渕野です。

作品を窯から出したら割れていた・・

こんな体験があるのではないでしょうか。

陶芸における焼成後に割れる、その割れ方の違いがわかりますか?

この割れ、その割れる過程から2つに分けることができます。

一つは、焼成段階の昇温時に亀裂が生じたもの

もう一つは、焼成後の冷却時に亀裂が生じたもの

です。

これらは見た目で判別できます。

下記の写真は焼成段階の昇温時に亀裂が入り、割れたものです。

昇温時の割れ(底)

昇温時の割れ(底)

昇温時の割れ(底拡大)

昇温時の割れ(底拡大)

昇温時の割れ(縁)

昇温時の割れ(縁)

昇温時の割れ(縁拡大)

昇温時の割れ(縁拡大)

特徴としては、写真のように亀裂が開いている場合が多く、

その破面は鋭さが薄れ、釉薬の端面が溶融によって丸みを帯びています。

温度が上がっていく段階で亀裂が発生しているため、

その後の昇温によって釉薬が溶け、焼成収縮の影響で亀裂が開きます。

次の写真は焼成後の冷却時に亀裂が生じたものです。

冷却時の割れ

冷却時の割れ

冷める際に割れるということは、

素地は硬く焼き締り、釉薬はガラス化した後なので、

このように亀裂が開いておらず鋭く、割れがわかりにくいものが多くなります。

亀裂の有無は作品を叩いてその打音で判別し、

光の当たり具合を変えて亀裂の場所を探すとわかりやすいです。

冷却過程の800℃よりも低い温度で割れる場合がほとんどで、

窯が冷めていく段階で割れる音がしたり、窯から出した後に割れたりします。

昇温時に割れた亀裂と冷却時に割れた亀裂

2つの亀裂の発生原因は異なります。

これらの亀裂を防ぐためには、それぞれに違う対処法が必要です。