こんにちは、渕野です。
焼成後の作品に入る亀裂には2種類あります。
一つは、冷め割れ、もう一つは、貫入です。
冷め割れと貫入の違いについて説明
冷め割れとは、
亀裂が釉と素地両方に及んでいるもので、
亀裂が大きかったり、複数の亀裂があったりすると、
形を保つことが出来ずに“割れた”状態になります。
貫入は、
釉のみに亀裂が入っているだけで、
素地の方は割れることなくしっかりとしています。
ひとすじの亀裂だったり複数だったり、
たくさんの亀裂だったりと見た目はさまざまですが、
作品の形はちゃんと維持されます。
冷め割れと貫入の原因対策は真逆
例えば、窯から出すときに音がするとか、
窯から出したときは大丈夫だった作品が、
一日後あるいは一週間後に亀裂が入っているなど、
発生するタイミングと見た目が似ているときがあります。
一見すると同じような見た目でも、
冷め割れと貫入では原因と対策が全く逆になりますので、
しっかりと見極めることが必要です。
冷め割れと貫入ともにその原因は、
釉薬と磁器土それぞれの
熱膨張係数が適合していないことです。
釉薬の熱膨張係数と磁器土の熱膨張係数が合っていないと、
冷め割れが起こったり、貫入が発生したりします。
ですので、熱膨張係数を把握し適切な組み合わせにすることで、
冷め割れや貫入を防ぐことが出来ます。
亀裂があるのならば、それが冷め割れなのか貫入なのか確認しましょう。
貫入(釉のみに亀裂)の拡大